ひろしさん こたえ>
濃い肥料を与えたのですね、、、
おそらく生存していた根の一部が死んでしまったのでしょうね。それで、蓄えを次々にはたいて新しい根の準備中ということでしょうか、、、株には気の毒でした。今からでも一度大量の水で鉢内に残存している肥料分を洗い流されたほうが良いでしょう。ミズゴケ植えの場合は肥料は必要ないくらいなのです。せいぜい葉が成長しているときに極く薄めのものを与える程度でよいのです。
およそ、熱帯、亜熱帯の植物は肥料に強いものはほとんどありません。熱帯雨林の土壌はずいぶん痩せているのです。ですから一度破壊されると森林の回復は非常に難しいものになるのです。
日本のように温帯でかつモンスーンの恩恵をこうむる世界一肥沃な土壌しか知らないわれわれには想像できないかもしれません。日本では植林などしなくても50年もすれば元牧草地が森林になってしまうのですから、、、日本人の土壌に対する感覚が世界標準からすればかけ離れているのです。おっとこれは脱線です。
痩せた土壌原産の観葉植物などは濃い肥料に弱く、樹上着生の蘭はそれよりさらに弱いことを肝に銘じておいていただければ無用な殺生はせずに済むのですがね、、、
熱帯亜熱帯に自生する植物は豊富な雨に含まれるごく微量の窒素化合物と他の動植物の遺骸が分解して発生するわずかな有機物で生存しているのです。地上に根を張れない蘭はさらに自分の体でラン菌を培養し、それを消化することでも栄養を得ています。驚くべきことに通常は植物に対して病原をもつカビ、リゾクトニア属の一種を体内で培養しているのです。人間にとって見れば大腸菌の一種を腸内で培養消化吸収しているようなもの、、、このように高度に貧栄養条件に適応特化した着生蘭に濃い肥料は毒です。
胡蝶蘭も人間に栽培されるようになりだいぶ肥料には馴らされてきているわけですが、それでも濃い肥料は危険です。
私なぞは自慢じゃないですが、胡蝶蘭の肥料は葉が成長している間の思い出したとき2週に一遍くらい?、「水遣りの後に」2000倍〜3000倍の液肥を与える程度ですから実効倍率では5000倍くらいではないかと思いますが、それでもミズゴケが新しいうちは通常一シーズンに二枚の葉を展開させます。深刻な病気にも罹りません。
花芽から開花までは一二枚損耗しますので株はほとんど大きくなりませんが平均的に7〜12輪の開花を見ます。これを長いもので25年続けています。株が自分で勝手に高芽更新したのに遭遇したのには驚きました。「自分の意志で若返えった」としか思えませんでしたから。
開花に達した株は未だに一株も死なせていません。
でもホームセンターの園芸担当だった時代から、相談を受ける株はどれも具合が悪いものばかりなのです。その原因のほとんどは肥料なんですね。みなさん本当に肥料がお好きですね、、、特に「具合が悪くなったら栄養剤」と挿すタイプを与える方が多いのですが、、、これも蘭には百害あって一利なし、多くの観葉植物にも良くないです。園芸業界の陰謀かとも思えるほどです。早く死なせて次のを買ってもらおうという、、、
私は観葉植物では実生ガジュマルやもらいものの、幸福の木を長年栽培してますが、これらも肥料を与えなくても枯れないです。成長が停滞するだけです。私は春から夏にかけてと秋にN:P:K=6.5:6:19の液肥を月一遍2000倍で与える程度で、もう20年、、、年数の割には大きくなってないですが。
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