No.4029 2009/11/15
【種類:胡蝶蘭 カビについての相談】
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初めまして、以前からこちらの掲示板を参考にさせていただいていました。おかげさまで、まだ2年ほどですが無事胡蝶蘭を育てることができました。
今回の相談なのですが少し前から気になるカビが生えてきたので心配になり投稿させていただきました。
現在4号鉢2つ、3号鉢に2つの計4つの胡蝶蘭を育てているのですが、すべての鉢にカビが生えてきました。
育ている環境なのですが室内で湿度は50%をきるくらい、温度はストーブをたいているときは22度程です。
エアパッキンで覆った棚で育てていて、最高温度は20後半、最低は15度前後です。覆っているとかきましたが隙間だらけで密閉性は低いと思います。
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これは4号鉢ので以前から薄っすらとした白いカビは生えていましたがほど厚くフワフワしたのは初めてです。
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この写真も上の写真と同じ鉢です。もう一方の4号鉢もこのカビに関しては同じような状態です。
上とこの写真のカビは3号鉢の2つには見られません。
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この白い粒のようなのは古い葉や花茎跡についていて、全部の鉢で見られます。ミズゴケにも所々ありますが、葉や元気な根には見当たりません。特に枯れた葉は一度完全に乾いて自然に落ちたのですが、切れ後が黒く変色して湿っている様に見える箇所がほとんどです。
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これの枯れ葉の跡に生えているカビで色は白っぽく見えます。これもどの鉢にもあります。
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ひろしさん こたえ>
鉢の外側の白いカビは生育が順調である場合に発生しやすいです。胡蝶蘭と共生しているカビの仲間リソクトニアの一種の菌糸でしょうから、この場合はなんの問題も無いどころか胡蝶蘭はこのカビの生産物を利用していますので良い状態といえます。ただし、これから冬に向かって気温が15度を割る場合には水遣りを抑えなければなりませんのでこのカビも薄くなるか消えるかしますが、、、
3号鉢にカビが発生しないのは鉢が小さい分ミズゴケの乾きが早くて菌糸を十分に伸ばせる水分が足りないのでしょう。そのぶん3号鉢の株の成長も4号鉢の株に比べて成長した葉の面積は小さいのでは?個体差がありますから一概には言えないのですがね。
気温が15度を割らなくても花芽が出たら、葉の成長を止めるため肥料やりはやめ水やりも減らします。
この白いカビが少なくなるとその後にススカビが発生することもありますがこれもなんら胡蝶蘭の生育には悪影響はありません。
これらの有益な、また無害なカビが繁茂している間は病原性のカビも近づきにくいですから、病気の予防に役立ってすらいます。美観の問題がある場合は鉢カバーなどをお使いになれば良いでしょう。
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これはカビではないのですが、根の先端が黒ずんでいて腐っているように見えました(左右2本)。真ん中の根の鉢を越えている部分に薄ら白いカビがかかっているのですが、全体的に問題があるようには見えなく先端もまだ伸びてくれそうな色をしていました。
4鉢とも最後に水遣りをしたのは1ヶ月くらい前で、3号の鉢は鉢の表面はまだ湿っています。今は特に葉水は与えていません。葉はどれも元気があるように見えます。
これらのカビはどのように処理すればいいでしょうか?
よろしくお願いします。
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ひろしさんこたえ>
おっと追加画像があったんですね。鉢外側だけなら正常なんですが、3枚目の画像は私は初見です。共生菌リゾクトニアには見えないですから、死んだ組織につく日和見菌がいるのでしょうかね。リゾクトニアが繁茂していれば普通は他のカビは進入しないのですが、リゾクトニア感受性の無いカビなんでしょうかね、、、これはちょっと気になります。
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早速のお返事ありがとうございました!
最後の投稿が入れ違いになっていしまったようです、すみません。
白いカビは心配しなくてもいいのですね?よかったです。
乾きは3号より4号鉢のほうが早いように感じます。ミズゴケの詰め込み具合の違いでしょうか?
水遣りから1ヶ月たった今もかなり湿った状態のようですが、特に管理について気をつける点はありますか?
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ひろしさんこたえ>
最後の画像の根の先は壊死していますね。これで分かりました。他の菌ではなくて共生菌とのバランスが過湿のために崩れたと思われます。「共生菌」とはいっても本来病原性のあるリゾクトニアですから、一ヶ月間乾かないような状況で必要以上に繁茂して、根の成長点細胞を食ってしまったという状況ということです。
蘭はそんな危ない菌と「共生」というか「菌を使役して」養分を作らせているのですが、バランスを崩すと逆に成長点細胞がリゾクトニアに食われてしまうことがあるのです。
株が健康な状態なら4号鉢でも一週間から10日で乾くはず。一ヶ月以上湿った状態なら過湿です。
リゾクトニアの跳梁跋扈をちょっと抑えるために一度殺菌剤(マンネブ剤〜エムダイファーなどの500〜600倍液)を散布したほうが良いでしょう。それで様子をみてください。
3号鉢の乾きが遅いのは不思議です。鉢の焼成温度が違って透湿性が低い場合鉢表面からの蒸散が無いので乾きが遅くなりますし、そのような鉢表面にはカビも発生しませんがね。
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ありがとうございます。エムダイファーが家にあるので明日散布します。
その後はしばらく覆いは外して通気性を良くしてみたいと思います。
それでも乾きが遅かったなら、ミズゴケ内で根腐れしているのでしょうか?1鉢は花芽も出てきたし、これから最低気温はどんどん下がるので(外気温はすでに10度ちょっとくらいです)、植え替えはあまりしたくないのですが…
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ひろしさんこたえ>
成長点が壊死しても根本体は死んでいないと思います。ですから単純な根ぐされとは違います。乾かせるのであれば植替えの必要は無いでしょう。
とりあえずエムダイファーは成長点壊死した株のみの散布でOKと思います。他の鉢は水やりせずに風で乾かすだけでよいでしょう。いずれにしても葉の成長休止期は株は水をほとんど必要としません。
成長点が壊死した株も現段階では根の本体までは死んでいないと思います。乾燥ぎみに管理すれば生きている部分に新たに成長点をつくりますから、まず薬剤処理で菌の繁殖を抑えたら、あとは乾かしぎみに管理することで、少なくとも来春までは植え替えはいらないだろうということです。
PS.画像を良く見たら、成長点が鉢の縁で壊死した根の中間、上に向って(空気に向って)新たな成長点が出ているように見えますね。
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