ひろしさん こたえ>
花軸の潜芽を発芽させてその成長点を利用し増殖するのは胡蝶蘭のメリクロン増殖法として種苗生産者では実は普通のことなんですが、無菌の栄養培地(三要素、ミネラル、糖分などの溶液を寒天でゲル化したもの)に花軸を挿します。
増殖には葉芽を使うので、葉芽が出やすい成分配合にするのが生産者のノウハウです。
無菌で行わないとこの培地にはあっという間に酵母や乳酸菌、クロカビ其の他の雑菌が増殖して培地のみならず芽を腐らせますので無菌でないと難しいのです。
胡蝶蘭の花軸には通常の状態であれば根から水分と微量要素のほかに葉から糖分(光合成の産物)が供給されますので成長点ではそれを利用して植物の体細胞を増殖させ、茎や葉、花を作るのですが、水と液肥だけでは、体細胞を増殖させるため(糖を重合してセルロース〜細胞壁の材料〜をつくる)と代謝のための糖分が不足します。
muckさんの芽は花芽なんでしょうか?葉芽なんでしょうか?どちらにしても、水だけ、液肥だけでは花芽を開花まで、あるいは葉芽を発根までもっていくのは「不可能」と思います。可能性に賭けるのであれば、水溶液に砂糖(ショ糖=ブドウ糖+果糖)を少し加えてみてはいかがでしょうか?
もちろんこうすれば必ず育つということではありませんが、万にひとつの可能性が出る程度なのですが、、、
ひとつには現在の水溶液にショ糖(砂糖)を加える程度で通常の場合に葉から供給される糖分を砂糖だけで補完できるかどうか?ほかに足りない要素がある可能性は高いです。
また砂糖を加えることにより水の腐敗(雑菌の繁殖)が促進し、現在順調な切り口からの水揚げが阻害される惧れがあります。
雑菌の繁殖を抑制する方法としては銀イオン、銅イオンが有効ですので、昔の銀の100円玉(稲、あるいは鳳凰の図柄)使わなくなった銀のアクセサリ(ロジウム表面仕上げのものは不可、銀サビの出ているものが良い)と10円銅貨を入れておけば水の腐敗はかなり抑制されます。あるいは切花を長持ちさせるという添加剤も有効である可能性はあります。
いずれにしても無菌ではない条件で管理のデリケートさもあり、可能性としては決して高いものとは思いませんが、植物に対する理解を深める良い経験にはなるでしょう。
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